市立柏病院の建て替え問題について、判断見送りに(2019年6月柏市議会)

令和元年6月7日に開会した柏市議会令和元年第2回定例会(6月議会)」において、秋山市長は、市政の主要な事項等について報告、その中で懸案の市立柏病院の建て替え問題について言及しました。



■柏市議会における市長の発言内容(柏市HPより転載)

柏市健康福祉審議会から示された、病院の建替え条件である「病床利用率の目標達成」と「小児科の入院体制の目処を立てること」について、本年3月末をもって、条件達成に向けた取組期間が終了したことから、達成状況や取組内容の検証を行いました。

1つ目の条件である「病床利用率」については、平成30年度の目標である80パーセントに対し、実績は78.3パーセントとなりました。

また、2つ目の条件である「小児科の入院体制」については、小児科の常勤医師が増員され、入院に向けた体制を構築することができました。

病院の建替えに伴う多額の建設費負担に対応できる経営基盤を確立するためには、病床利用率は最低でも80パーセントは必要であることから、条件は未達成であると判断しました。

引き続き経営改善に向けた取組を実施した上で、建替えについて、今後判断してまいります。




市立柏病院の建て替え問題については、2017年に柏市健康福祉審議会が答申を公表していて、以下のような問題点を指摘しており、今回の市長の判断は、答申の内容を踏まえて、見送りの判断したものと推測されます。

つまり、経営改善が必要とされている市立柏病院が改善の重要ポイントである「病床利用率」について、最低で80パーセントをクリアできなかったことで、建て替えの前提条件が整っていないと判断されたものといえそうです。

■柏市健康福祉審議会による市立柏病院の現状分析

市立柏病院の建替えには多額の事業費(試算:1床当たり75㎡×200床=延
べ床面積15,000㎡,周辺整備費等も含み約100億円~約125億円程度)
を要することから,病院事業債元金の償還,支払利息,減価償却費の増大という経営的なリスクを念頭に置いた経営計画の策定と実行が求められる。

そのため,まずは,現病院から,柏市立柏病院新改革プランに基づき,経営改善に積極的に取り組み,経営体力の増加に努める必要がある。

その上で,ローコスト建設手法の採用等による建替え事業費の抑制を検討していく必要がある。

市立柏病院を巡っては、柏の葉公園への移転構想もあり、今後、現地での建て替えとなるのか移転となるかは流動的です。

お隣の松戸市立病院は、当初、市長の支持もあり、現地立替が有力だったものの病院職員の反発等で、一転して移転となって結着しただけに柏市の判断が注目されます。



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