JR東日本千葉支社は、現在JR京葉線・新習志野~海浜幕張間で建設中の京葉線新駅(幕張新駅)について、2023年春に開業することを明らかにしました。
まず、駅名の決定に大きな影響を及ぼす新駅の場所を確認すると以下のようになります。
京葉線新駅(幕張新駅)概要
・設置位置
京葉線新習志野・海浜幕張間
(千葉市美浜区浜田内)
※新習志野駅から約1.7㎞・海浜幕張駅から約1.7㎞
・駅設備
ア ホーム
2面2線10両対応
(駅本屋)鉄骨造1階建て
イ バリアフリー施設
多機能トイレ、エレベーター1基
ウ イメージパース(現時点でのイメージであり、実際とは異なる場合があります。)
幕張新駅の駅名は誰がどのように決定するのか?
新習志野駅から約1.7㎞かつ海浜幕張駅から約1.7㎞ということから、京葉線新駅(幕張新駅)は文字通り、海浜幕張と新習志野のど真ん中にできます。
ど真ん中にはイオンモール幕張新都心があります。
そもそも幕張新駅は、JR東日本と千葉県・イオンモール・千葉市の3者を構成員とする幕張新都心拡大地区新駅設置協議会により、検討が進められてきた、請願駅ですので、イオンモール幕張新都心の目の前に駅ができるのは当初から、決定事項でした。
問題は、幕張新駅の駅名がどうなるかですが、JRの駅名の決め方はケースバイケースです。
記憶に新しいのは,公募で大々的に駅名を募集しながら、JR東日本社長の鶴の一声で公募駅名で人気ランキング100位にも入らなかった。”高輪ゲートウェイ”に決定した事例です。
今回、幕張新駅の駅名は公募せずに幕張新都心拡大地区新駅設置協議会での検討を基にJR東日本が最終決定するということになっています。
そうなると駅の開発費に相当な負担をしているイオンモールの意向が強く働くのではないかと思われます。
新駅の名前が”イオンモール幕張新都心”になるためのハードルとは?
当然ですが、イオンモールとすれば新駅の名前が”イオンモール幕張新都心前”となることが一番好ましいと考えているはずです。
問題はJRの駅名で、特定の企業名を冠した駅名が認められるかどうかです。
特定の企業名を冠した駅名で著名なのは東京メトロ銀座線の三越前駅です。
三越前駅の工事費の大半を三越が負担したということで三越前とネーミングされたという経緯がよく知られています。
JRの場合、もともとは国有鉄道であったため、現在に至るまでJR版の三越前駅のような駅名は存在していません。
ただ、民間企業のJR東日本となった以降、唯一、JR側から特定の企業・施設名を冠した駅名を提案したのに断られたのが同じ千葉県内のJR京葉線舞浜駅です。
JRとしては、駅名を”東京ディズニーランド前”としたかったのですが、運営会社から”東京ディズニーランドは駅から始まるわけではない”等の理由で反対され、アメリカの地名マイアミをモチーフに舞浜となりました。
ですので、旧国鉄時代と異なり、駅名を”イオンモール幕張新都心前”とするハードルは低くなっているとは言えそうです。
問題は、これまで特定の商業施設を冠した駅名が存在しないことでしょう。
幕張新駅の駅名の参考になりそうなのは、イオンモール越谷レイクタウンです。
JR武蔵野線の越谷レイクタウン駅は、イオンモール越谷レイクタウンのほぼ目の前にありますが駅名は、”イオンモール越谷レイクタウン前”とはならず”越谷レイクタウン”で決着しました。
仮に特定の施設名を冠した駅名にしてしまうとその施設が閉鎖されたり、改称されると駅名が陳腐化するリスクがありますので、”イオンモール越谷レイクタウン前”とはならなかったのではと推測されます。
新駅の名前が”イオンモール幕張新都心”となるには、このあたりがハードルになりそうです。
一般に新駅の駅名を決めるには、①新駅の住所②他の隣接する駅名との整合性③駅周辺の著名施設の主に3つの要素を検討して決められます。
そこで、3つの要素ごとに幕張新駅駅名候補一覧を筆者の独断と偏見?で予想してみました。
幕張新駅(京葉線)駅名候補一覧
①新駅の住所から連想した駅名候補”幕張美浜”
幕張新駅は、千葉市美浜区浜田内に設置されます。
もし住所の地名から駅名をネーミングするとなると”美浜”もしくは”浜田”ということになりそうですが、町の名前に過ぎない浜田の可能性は低いでしょう。
そうすると美浜ということになりそうですが、近隣の人ならともかく、美浜といわれてすぐに幕張の近くと浮かぶ人が千葉県内でもどれくらい居るのかというレベルではないでしょうか。
まあ、知名度が低いことを逆手に美浜駅として認知度向上を図るということも考えられなくもありませんが。
特に今回、イオンモールが開発費のうち、相当の金額を負担していますので、”イオンモール幕張新都心”と結びつきにくい”美浜”は、可能性は低いでしょう。
ただ、もし”美浜”ではなく、幕張美浜とするならイオンモールとしても納得しやすくなり、可能性が高くなるのではないかと思います。
②他の隣接する駅名との整合性から推測する駅名候補”まくはり新都心”
幕張新駅の近隣の駅というと、海浜幕張、新習志野、幕張本郷、幕張となります。
もし、今回、駅名の一部に幕張を入れると狭いエリアに幕張がつく駅名が4つ存在することになります。
近隣の人はともかく、そうでない人からすると駅名と行先を間違いやすくなってしまいます。
悪い良い例?が浦和です。狭い範囲に浦和・南浦和・西浦和・北浦和・東浦和に武蔵浦和があり、しかも駅により路線が微妙に異なるという、余所者には最悪の駅名となっています。
千葉県でも千葉駅の他に本千葉、千葉中央、東千葉、西千葉に千葉みなと駅と浦和と良い勝負?の分かりにくさとなっています。
ですので、幕張を駅名にもし入れるのであれば、相当インパクトがないと他の幕張●●駅との区別がつきにくくなりそうです。
このような背景から、さいたま新都心をヒントに”まくはり新都心”あるいは”ちば新都心”だと差別化できるのではないかと考えています。
③駅周辺の著名施設から連想した駅名候補”幕張新都心(イオンモール前)”
上記で、新駅名を”イオンモール幕張新都心前”とするのは難しいのではないかとしました。
ただ、折衷案として”幕張新都心(イオンモール前)”とすれば、可能性があるのではないかと考えています。
JRではありませんが、東京メトロ千代田線の赤坂駅は、TBS本社に駅が直結していることもあり、赤坂(TBS前)と連呼しています。
ただ、括弧書きということで正式名称には含まれないことになりそうですが、表記だけでも”幕張新都心(イオンモール前)”とすれば、他の幕張●●駅との区別がつきやすく、またイオンモールも納得できるのではないかと思います。
まとめ
①幕張新駅の駅名は公募ではなく、JR東日本と千葉県・イオンモール・千葉市の3者を構成員とする幕張新都心拡大地区新駅設置協議会により決定されます。
②新駅の名前が”イオンモール幕張新都心”になるためのハードルは多く、”幕張新都心(イオンモール前)”等、表記を工夫しない限り、駅名にイオンモールが難しいのではないかと推測されます。
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